【サマリー】
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)大宮土木設備技術センターでは、列車の安全運行等のため、大宮エリアだけで年間施行面積約30万m²・工事費数億円にのぼる大規模な除草工事等を発注しています 。毎年繰り返される工事に対し、計画・設計・確認のプロセスにおける労力削減が課題となっていました 。
この課題に対し、同センターでは「出来形測定点群データ利活用ガイドライン(2025年4月~)」を適用し、除草工事や防草シート新設工事において、TRANCITYを用いたしゅん功検査を実施しています 。さらに、業務のワンストップ化に向けて、CalTaと共同でTRANCITY上への「工事の出来形管理機能」の開発・試行を進めています 。
- 【課題】 安全運行等のために行う沿線除草は、大宮エリアだけで年間約30万m²・工事費数億円に及び、計画から確認にいたるプロセスにおいて労力削減が課題であった 。
- 【解決策】 「出来形測定点群データ利活用ガイドライン」を2025年4月より適用し、除草工事や防草シート新設工事においてTRANCITYを用いたしゅん功検査を実施 。さらにCalTaと共同で、自動で計画データと出来形データの差分を計算できる「工事の出来形管理機能」の開発・試行を進めている 。
- 【効果】 計測結果を含めた点群データをTRANCITY上に保存することで、除草工事等のしゅん功検査資料として活用されている 。
1. 課題:広大な鉄道沿線の除草。計画から確認までのプロセスにおける労力削減
JR東日本 大宮土木設備技術センターが管轄する大宮エリアは、JR東日本が管轄する路線距離の約6%を占めています 。列車の安全運行維持や沿線地域の環境維持などのため、毎年除草工事等を発注していますが、その規模は年間施行面積約30万m²、工事費数億円にのぼる大規模なものです 。
除草作業は、安全運行のために不可欠であるものの、何か新しい成果物を生むわけではなく、次の年も同じことを繰り返す必要があります。除草工事における「計画・設計・契約・施工・確認」という手順を踏むにあたり、施工そのものに一番注力できるよう、計画・設計・確認の3つの行為に対する労力削減が課題となっていました 。
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2. 解決策:利活用ガイドラインの適用と、CalTaとの「工事の出来形管理機能」共同開発
この状況に対し、大宮土木設備技術センターではTRANCITYを活用した除草工事管理の取り組みを進めています 。
まず、「出来形測定点群データ利活用ガイドライン」を作成し、2025年4月より適用を開始しました 。本ガイドラインでは防草シート工、防草土工、防草ネット工、除草の4工種を対象としており、計測結果を含めて点群データを保存する仕組みとなっています 。これに基づき、除草工事や防草シート新設工事において、TRANCITYを用いたしゅん功検査を実施しています 。
さらに同センターでは、現状のままではしゅん功資料として機能が足りない部分があることから、CalTaと共同で、TRANCITYに「工事の出来形管理機能」の開発・試行を進めています 。
この新機能では、台帳形式での工事情報管理、設計値・計測値の保存機能、地図上での施工箇所管理機能の実装を予定しています 。具体的には、画面上で各頂点を設定して面積を測ると、それが出来形データとして自動記録され、もともと登録されていた計画データとの差分を自動計算する仕組みです。また、施工箇所の特定のために「何線の何キロから何キロまで」を示す旗揚げ機能や、これらを工事情報とともに登録するディレクトリ管理機能の開発を行っています。
3. 効果:しゅん功検査資料としての利活用と、ワンストップ化への展望
大宮土木設備技術センターでは、これらの一連の取り組みを通じて、TRANCITYによる点群データを「除草工事等のしゅん功検査資料」として実際の業務に活用しています 。
さらに、現在CalTaと共同開発を進めている出来形管理システムが実装されることで、除草工事のみならず他の工事への適用も見込まれています。これまで成果を生まなかった工事において、計画・設計・確認がワンストップで完結する、新しいインフラ管理の形が実現しつつあります。

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